スプラウト、先輩と彼女、青夏の南波あつこさん。
この人は「彼女がいる男の子」を書くのがうまいなあと思う。
他の人を大切にしている姿があとからじわじわ効いてくる。痛い。
毎回ネタバレ含む感想文ですがこれはオチ書いてますので以下注意。
中3の仁菜が好きな人は、マンションの隣に住む1コ年上の京介。
やさしくてカッコいい京ちゃんの彼女を夢みる仁菜は、
ある日彼のキスシーンを目撃してしまい……!?せつない想いがあふれる青春ラブストーリー。
あとから「実は好きだった」が認められるのが少女漫画の王道ですが、ピーチガール、ひるなかの流星に引き続き、当て馬の逆転勝利!!
最後の最後までテンプレのような当て馬キャラだった三宅くん!ニナの後ろ姿を書いたノートの落書きがかわいい!
頑張ってヨカッタネ!
京ちゃんは本当にずっと近くにいたからこそ、自分に向けられている好意が自分と同じだけの重さを持っていないんじゃないかという、ただそれだけが不安で回り道しまくって、
俺、やっと決めた!(キリッ
ってなったのはだいぶ後のほう。
兄弟みたいなんて思われてたの俺のほうだよ
というセリフが重い!
ずっと大切にしてきた女の子が、自分になついて好きだと言ってくれる、でもそれは恋じゃないだろう、自分の気持ちだけで付き合って、いつか本当の気持ちに気づかれるのが怖い、壊すくらいならはじめから望まない、そんなかんじですかね。
そんな京ちゃんがやっと覚悟を決めて、向き合う決心をしたと!!
ずーーっと好きだった人という設定だし、三宅くんとはもう別れちゃっているので、京ちゃんになびいてもおかしくない場面ではありますが、
「もう1回片想いから始めます」ときた!なんだと!!!
三宅くんと変なふうに別れた→もうふっきれた、なんとも思ってないから向こう行けよ、と言われる(典型的な当て馬)→京ちゃんに再告白→ハッピーエンド
というテンプレをひっくり返した!
タイトル「隣のあたし」、表紙も京ちゃんとの2ショット、それをひっくり返した!!
一緒に居た時間は無駄じゃなかったね!ずっと好きで居てヨカッタネ!
彼氏彼女じゃなくてもずっと京ちゃんにとってもお互いに大切な人には変わりないんだなというのがわかるラストでした。
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