文化祭ラブはじめました「青春ラバーズフェスティバル」馬瀬あずさ

高2の春、大好きな文化祭の実行副委員長に選ばれた武藤さん。だけど同じく委員長になった六車くんは、「文化祭ラブ」を目標に女子たちを口説きまくって面倒ばかり起こす変わり者。不満を募らせる武藤さんだったが、あることをきっかけに、六車くんの「文化祭ラブ」が不器用な彼のまっすぐな想いからくるものと知って……。人と向き合うことがちょっと苦手な少年と交わした、文化祭限定の約束。「大丈夫。キミをひとりにしない」


六車は実行委員会の女の子に片っ端からちょっかいをかけていくんだけど、別にチャラい(僕等がいたの矢野とかみたいな)というわけではなく、どちらかというと実は重たくて他人との距離のとり方がおかしい(とな怪のハルとかホリミヤの宮村とか)感じ。

案の定、家庭環境はあまりよくなくて、彼女がほしいというより友だちがほしい、何かを一緒に分かち合う相手が欲しかっただけなのかもしれません。

「誰にでも言ってるんでしょ」って感じで全然相手にしてなかった武藤ですが、1巻完結(全4話)の2話めには六車も「誰彼かまわず」ではなくなっています。

「理解示してくれたからとか 恋愛願望叶えたいとか そんなん関係なく 好きになっちゃっただけとはとってくれないんですか」

うわぁああああああああああああああああ

からの、文化祭準備中のトラブルを連続解決。武藤も「彼が本気じゃないわけじゃない」ことはわかってるし、六車の良さはそのうち他の子も気づいてしまうんじゃないかという焦りもあるような。


こうやって付き合い始めた2人ですが、どんどん好きになっちゃう武藤的に、大事なことを話してくれない六車に対しての不安は募るばかり。空気悪いなって六車が謝ってくれるんだけどそういうことじゃないんですよね。

「謝ったり機嫌とったりしてほしいんじゃないの! 昨日あのあと何かあったの?なんでイライラしてんの!?話してよ!なんだって聞くから!あたしにできることあったらなんでもするし!したいし!」

六車の「こんなこと言えない」「心配させたくない」っていう気持ちもわかるんですけどね。まあ本編内では「これからちょっとずつ話していく」というだけで具体的に話す場面はないのですが、「話すという姿勢を見せた」ことが大切で、その辺の話はもう2人には必要ないのかも。また六車が荒れる日が来たらその時にでも話せばいいような気がします。

それにしても階段でチューとか可愛いよね!友だち始まりなのにちゃんと彼氏彼女してるね!


ラストの終わり方には賛否両論あるでしょうが、私はすべてがうまくいくハッピーエンドじゃなくて逆に良かったと思います。

文化祭、、、いいなあ!(小5、小6、中3、高1、2、3、大1と文化祭まみれで生きてきた人)